人事労務だより2026年4月

厚生労働省は、人材開発支援助成金「人への投資促進コース」をめぐり、定額制の訓練を提供する東京都内の教育訓練会社が関与した大規模な不正受給事案が発生したことを受けて、再発防止策を徹底する方針を明らかにしました。

厚労省によると、同社が関与した不正受給事案は、助成金申請事業主計191社、総額約20億円に上っています。昨年12月には、30労働局において不正受給認定と助成金返還命令を行ったほか、訓練会社名も公表しました。

訓練委託元企業である申請事業主各社は、委託先である同社から資金提供を受け、それを訓練経費の支払いの原資として訓練の提供を受けていました。実質的に訓練経費の全額を負担していないにもかかわらず、国に支給申請を行い、不正に助成金を受給していました。

類似事案の発生を防ぐため、厚労省は、再発防止策を講じる方針です。不正事案では、教育訓練会社が申請事業主に対して労働局への虚偽報告を指示するなど、不正受給をそそのかすような案内を行っている実態がありました。助成金の申請時の提出資料として、「教育訓練会社から提供された資料一式」を追加し、不適切な営業行為が行われていないかどうかを労働局が厳正に確認していきます。

不正受給につながるケースを具体的に示し、どのような行為が不正受給に該当するかを分かりやすく解説するため、事業者や教育訓練機関向けのリーフレットも改定が行われます。さらに、不正受給防止マニュアルの整備を通じ、各労働局での審査を厳格化していきます。リーフレットの作成などについて厚労省は「なるべく早く対応したい」と話しています。

前の記事

人事労務だより2026年3月

次の記事

人事労務だより2026年5月New!!